活動弁士×無声映画 活弁シネマ『子宝騒動』『明け行く空』

活動弁士とは?
無声映画時代に日本の映画館で行われていた映画説明のことです。当時、映画は活動写真と呼ばれ、日本の映画館では、映画のセリフや状況を説明する弁士と楽団の演奏で映画が楽しまれていました。活動写真の説明をする弁士、略して”活弁”と呼ばれ現在のアイドル並みの人気を博していました。当時はそれぞれの劇場が弁士を雇い、全盛期には全国に8千人近い弁士が在籍し人気を競っていました。その評判によって劇場の人気が左右されるほど大切な役割を担っていましたので、時の首相よりサラリーが高い弁士もいた程です。

第一部

子宝騒動 1935年/34分
監督 斉藤虎次郎

 子宝に恵まれ続けている福田家では、まもなく七人目が生まれるというのに主は失業中。生活費にも困り果てているというのに主は暢気なもので、働き口も探さずに毎日子供達と遊んでいる。そうこうしている内に産気付き、流石に慌てて産婆を呼びに行く主だが、六人分の取り上げ料も未払いな為、断られてしまった。
 何とかしてお金の工面をしなくてはと四苦八苦する主だが、中々旨く行かない。そこへ、男爵家の豚が逃げ出して捕らえた者には懸賞金が五百円出るという話が聞こえてきた。もう、町中は大騒ぎで、とんかつ屋も花婿も住職も、なり振り構わず豚を追いかけている。遂に福田家にも金運が廻って来たかと主も必死で大奮闘―。
 果たして豚は誰の手に―。七人目のお産はいかがなることでしょう―?

第二部

明け行く空 1929年/60分
監督 斉藤虎次郎
南魚沼市出身の水島あやめが脚色

 恭子は夫に先立たれると、幼い娘玲子を残して、実家に連れ戻された。可愛い我が子との離別に後ろ髪を引かれる思いで婚家を去っていった。
 残された祖父と孫娘の侘しい生活にも、いつしか歳月が流れ、老いの身の純造は玲子を連れて、或る湖畔の村で乗合馬車の馭者となって暮らし始めた。
 美しい夕空に教会の鐘の音が鳴り響くと、遊んでいた子供たちは、今度新しく来た教会の女先生の噂話をしだした。黒い着物を着たとても優しい先生だと聞いて、玲子の胸は何故が憧れに膨らんでゆく。
 或日、玲子は友達とその教会を訪れた。恭子は玲子の名を知り、父母の無いことを聞いて驚きと共に懐かしさを抑えきれなかった。片時も忘れ得ぬ我が子に、まさかこんなところで再会しようとは夢にも思わなかったのである。

 

出演者プロフィール

坂本 頼光(活動弁士)
東京生まれ。少年時代は漫画家志望で、水木しげるに私淑。ひたすら妖怪の絵ばかり描く日々を送るも、中学二年頃より映画熱に憑かれ、やがて無声映画の説明者である活動弁士を志す。
00年、嵐寛寿郎主演『鞍馬天狗』前編の説明でデビュー。現在までに国内外の無声映画約120本を説明する傍ら、絵心を生かし、イラスト、自作アニメを制作しての活弁、またアニメやCMの声優も務めている。
平成28年度・花形演芸大賞において銀賞、30年同金賞受賞。周防正行監督の映画「カツベン」では、主演の成田凌、共演の永瀬正敏に活弁指導を担当。映画祭、寄席出演も多数。

天宮 遥(ピアノ)
神戸生まれ。日本では希少なサイレント映画伴奏ピアニスト。スクリーンから降り注ぐさまざまなシーンにあわせて即興で演奏し、コメディーからドラマティックな作品まで幅広く演奏。
国際映画祭や劇場にてアクティブに上映会を行っている。

詳細情報

開催日 2023年11月29日(水)
開場18時30分
開演19時00分
会場魚沼市小出郷文化会館 小ホール
入場料金【全席自由】
一般1,500円
高校生以下800円
母子手帳をお持ちの妊婦さんは無料
※未就学児入場不可
主催新潟県/令和5年度舞台芸術を活用した県民参加・体験拡大プロジェクト実行委員会
魚沼市小出郷文化会館(指定管理者:NPO法人魚沼交流ネットワーク)
共催魚沼市
魚沼市教育委員会
後援新潟県商工会連合会
魚沼市商工会連絡協議会
協賛ゆきぐに信用組合(マタニティ招待)
備考【プレイガイド】
蔦屋書店小出店・タナカ薬局・南魚沼市民会館・越後妻有文化ホール「段十ろう」
イープラス

チケット販売

一般販売
9月9日(土)
文化会館 窓口9時~・オンライン10時~・電話予約13時~
※プレイガイドでの発売時間は各店舗により異なります。